令和元年 刑法
R1 刑法
1.(1)本件土地売却について、横領罪成立か?
要件 ①自己の占有する ②他人物を ③横領する
① 「占有」とは?
法律上の支配も含む→本問 ・登記済み証 ・白紙委任状 ∴ あり
② Vの所有物 ∴ あり
③ 「横領」= 委託信任関係に反して趣旨に背く行為
不動産については、登記までいって既遂 ∵ 処罰範囲限定
そして、横領には未遂なし ∴不成立
(2)では背任罪?
「他人のための事務処理」「図利加害」「任務違背」はOK
しかし「損害」なし ∵ 表見代理不成立で、所有権甲のまま ∴不成立
※全体財産に対する罪だから、「損害」いると書いたかも
2.契約書作成につき、私文書偽造? ※当然のように有印の方で検討してしまったかも
「行使の目的」「権利、義務に関する文書」→簡単にOK
「偽造」=名義人と作成者の同一性の偽り ∵文書に対する公共の信頼という趣旨
から、内容虚偽ならさして問題なし。
本問「名義人」=V ∵ 帰属主体
「作成者」=Vから代理権授与なのでVとも
しかし、本問は権限外で無権代理→Vが作成といえず甲が作成
∴ 成立
そして同行使も成立
3.V殺人につき殺人罪?
Vを海に落として溺死させ→199の実行
しかし、落海時点で既に死亡と思っていた→故意は首絞めの時点にしかない。
そこで、首絞め行為と死の間に因果関係あるか?
因果関係とは=危険の現実化 → 行為の危険性と、介在事情で決する
本問→計画は首絞め→投棄 とすると首絞めが投棄を誘発する。
行為の危険性が結果として現実になったと言える ∴成立
※3.について、2項強盗の成立は検討しなかった ∵ 強盗目的がない、殺しても土地が甲のものになるわけじゃない