200X̟+1年度① シリーズ不合格③
学部2年生となった。
この年度から大学の近くで一人暮らしを始めることになった。
片道2時間半近い通学時間では、司法試験どころか大学の授業やその他にもまともに取り組むことができない。
親には迷惑をかけることになるが*1、これで司法試験に受かるのならば安いものだろうと、この頃は思っていたかもしれない。
勉強については、この年は翌年が受験予定となるので*2、論文対策を中心にと考えていた。
そこで、論文の典型問題を扱う、論文体系講義みたいな名前の講座をとった。
これは、現在でも存在する「えんしゅう本」シリーズを使って典型問題を押さえていこうという、今で言うとアガルートの重問のようなものだった。
まあ勉強の方針としてはそんなに間違っていなかったと思うし、講座もそんなに悪くなかったように覚えているが、いかんせん自分の知識が足らず、消化不良となってしまっていた。
しかも、前年度に入門を取らず、独学でやることにした商訴*3についてはさらにひどいことになっていた。
当時流行っていた基本書は、
商法→弥永先生のリーガルマインドシリーズ
民訴→講義案or上田先生
刑訴→田口先生
あたりで、今に比べれば分かりにくく、厳しく言えば不親切な教科書ばかりだった。
流行っているものでさえそれなのに自分は、
民訴→伊藤眞
刑訴→田宮
とさらに厳しい基本書をチョイスし、それをいきなり頭から読んでいくという最悪の勉強法を取ることにしてしまった。念を押しておくと、この時点で商訴は初学者だったのだ。
そんな感じで勉強はしていたが、一人暮らしの開始によりけっこう私生活が充実していたため、前年と比べてそんなに勉強時間を増やせていなかった。
また大学も、不思議と近くなると行かなくなるもので、2時間半かけて通学していた前年度よりも、授業に出席することは少なくなっていた。
こんな状態で秋の答練シーズンを迎えることになる…
2000x年度② シリーズ不合格②
どこの予備校を使うかについていろいろ検討したが*1、結果として辰巳を利用することにした。理由としては、
・LやWは、「テキスト*2が全て、これさえやってれば受かる」という軽い方針に見え、いまいち信用ならなかった。
・LやWは価格が高い。学生の身分で親に出してもらうとは言え、頼むのを躊躇するような価格だった。*3
・もともと読書が好きでアカデミックなものへの憧れが強く、Tの、「法律研究所」という名称に惹かれた。*4
といったところで、そんなに確たるものはなかった。*5
この時辰巳で取ることにしたのは、「入門講座 憲民刑 通信」というようなもので、確か価格は18万円程度、トータルで150時間程度、高橋講師という方の講座だったと思う。他の講師の講座も選択できたが、この講座は前年度収録のものであり、全ての教材を一気に送ってもらえるということからこの講座を選んだ。ちなみにこの時代、通信教材はカセットテープだった。
この講座には辰巳の入門テキストが付いてきたが、講義は高橋講師オリジナルの教材を使って進むものだった。内容は、スタンダードに前から講義していくというよりは、重要な論点を厚く講義していくというスタイルで、講義で触れなかったところは基本書*6なり入門テキストの指定ページを読んでおくようにというものだった。
今思えばこの方式はあまり良いものではなかった。講師は、講義で触れない部分については各人が理解しておくことを前提に講義を進めていたのだろうが、自らの本読みだけで講師が前提としている程度の理解に到達することは難しい。それ故、講師が厚く講義する部分についても、こちらの前提部分の理解が足りないから、完全に理解できない…
という悪循環に陥っていたように思う。
それでも講義自体は面白く、講師の歯に衣着せぬ雑談も楽しく、順調に講義を消化していくことができた(気がした)。講座を取り始めてしばらくしてからは講義に併せて択一過去問に取り組むことにし、一応、年度内に憲民刑の講義と過去問を一通りはやろうというざっくりした計画を立てた。
ちなみにこの頃は、大学の授業が1日平均3コマ程度、塾系のバイトが週に10時間程度、前述のクラブ活動が週に2~3回、大学への通学が片道2時間20分!、という生活環境であり、週に15時間程度くらい机に向かって勉強していたと思う。
やるからには当然合格、それも現役で、と思っていたので、このままの勉強時間ではとても足りないなとはこの時感じていた。
*1:とは言っても、ネットの普及していない時代のこと、各予備校のパンフを見るくらいしかしていない。
*2:Lはプロビデンステキスト? Wはデバイスという名称でしたね
*3:これは結果として誤解であった。この2校はセット売りを強調していたため、単科売りを中心としていた辰巳に比べ高く見えただけ
*4:逆に、LやWには、大学受験予備校の代ゼミや東進的な軽いノリを感じた。それで言うならTは駿台っぽい感じ?
*5:この程度の動機なのに、この後しばらく辰巳を妄信し続けることになる
*6:この時指定があったのは、憲法→芦部(岩波のやつ)民法→内田or有斐閣双書 刑法→大塚or大谷or前田 ただ、講師は前田を酷評していたような記憶がある
200x年度 シリーズ不合格①
2度目の東大文一受験に失敗した自分は、この年、東大から2ランク下*1の関東の某大学に入学した。
不合格の原因は、当然勉強不足が主だろうが、周りに東大を受験するような人がおらず情報不足だったのも大きいと思う。何せ、十数年も東大合格者が出ていないような公立高校出身なのである。浪人中の予備校も決して面倒見のいいものではなかった*2。
そんなわけで、200x年、某平凡大学に一浪で入学したのであった。
入学前は、国家公務員一種試験を受けて役人になろうと思っており、特にそれ以外は考えていなかった。しかし、国家公務員一種試験に合格し採用されるには大学名が重要であることはよく知られており、1ランク落ちの大学ならともかく、2ランク落ちの我が大学からの採用は相当に厳しいことが予想され、公務員試験を断念することにした。*3
だからと言ってすぐ、じゃあ司法試験を、とはならず、しばらくはバイトをしたり大学のクラブの活動をしたりと、ごく普通の大学生活が続いていった。
司法試験を受けようと決めたのはこの年の夏ごろで、きっかけは特になかったと記憶している。まあ公務員試験を受けることを考えていたくらいだから、会社員にはあまりなりたくはなく、公務員試験と同じで試験で決まるという点で同じだから、司法試験という選択をとるのは自然だったかもしれない。
じゃあ、どう勉強していくか?というときに最初に読んだのが、おなじみ?エール出版社の合格体験記シリーズだった。*4それによると、大半の受験生は予備校を利用しているとのことで、見た感じ、LEC→Wセミナー→辰巳の順で利用者数が多いように思えた。*5
この時の勉強方法の選択が、最初の大きな失敗であった…
※年度ごとに1記事にしていこうかとも思ってましたが、書いてみると意外と長くなったので、この年度の続きは次回にします。
シリーズ不合格
ブログタイトルの通り自分はいわゆるヴェテなわけですが、なぜ自分がヴェテになってしまったのか、司法試験受験を決意した時点から振り返っていく連載?を書きたいと思います。
司法試験に興味のある方、受験生の方に読んで頂ければと思いますが、特に既にヴェテ化してしまっている方に読んで頂きたいなあと思ってます。もしかしたら、ヴェテを抜け出すヒント(司法試験撤退も含めて)があるかもしれません。
(後に触れていく予定ですが、公務員・行政書士・司法書士試験の話も少し出てきます)
とは言え、自分は未だ合格者ではなく一受験生に過ぎないので、過度の期待は禁物です。暇つぶし程度のものとして捉えてください。また、20年近く前のことを基本記憶で書いていきますので、内容は不正確かもしれないことを、あらかじめご承知おきください。
いろいろ変更
答案再現の記事をいったん非公開にしました。
すごくためになる評価をしてくださった方もいましたが、その後あまり見てらっしゃる方もいないようでしたので…
(あと、今後のバイトの関係でも一応…)
もし見たい方がいらっしゃるのであれば、限定的に公開しようとは思います(そんなことできるのか?)。
あと、ブログのタイトルも変更してみました。
今の若い受験生には意味が通じないかもしれませんが…
Yahoo!知恵袋によるとヴェテというのは蔑称らしいですが、あきらめないでここまで続けてきた自分と、同じくあきらめずに旧司法試験から続けている方々への、エール的な意味で昔の言葉を使ってみました。
何か、そういう方に役立つ記事でもかければいいなあ…
司法試験終了
久しぶりに投稿します。
ブログの存在をすっかり忘れていました…
試験が終わり自分の再現も終わったところで、他の受験生の再現あがってないかなー、などと思ったところで、このブログの存在を思い出しました。
今は時間もあるので、これから思いつくままに何か書いていってみようかなと思います。
(再現は誰かあげたら自分もあげようかな、と)
口述試験得点
120点でした。
よくできた方の刑事でも61ということはまあないでしょうから、60,60だったのでしょう。
この結果等から、自分の考える60と59の分水嶺は、「主要な質問に対する答えを誤る事なく最後までいけたか否か」というところかなあと思います。(ありきたりな結論ですが…)
よく、「最後までいければ60」というようなことも言われますが、誘導にもかかわらず、序盤の構成要件や要件事実が誤ったまま進行してしまうこともあるようで、その場合はかなり厳しい評価となっているようです。
各種再現によると、優しい誘導ばかりでなく、厳しい誘導がなされる(正解を言っているのに、「本当に!?」などと、驚く様子を見せて揺さぶるなど)場合もあるみたいなので、基本事項については、そういう揺さぶりに耐えられるだけの精度をもって完成させておく必要がありそうです。